「そして、星の輝く夜がくる」を読んですごく良かったので、「そして、星の輝く夜がくる」の続編、「海は見えるか」を読んだら、やっぱり良かったです。
目頭が熱くなりました。
→(参考)神戸から震災の東北に赴任した応援教師・小野寺徹平(まいど先生)のキャラクターにほれぼれ。真山仁「そして、星の輝く夜がくる」
「海は見えるか」(真山仁)
東日本大震災から一年以上経過しても、復興は遅々として進まず、被災者は厳しい現実に直面し続けている。それでも、阪神・淡路大震災で妻子を失った教師がいる小学校では、明日への希望が芽生えはじめていた―。『そして、星の輝く夜がくる』に連なる、二年目を迎えた被災地、奇蹟の祈り。生き抜く勇気に出会う珠玉の連作短編!
(アマゾン:「BOOK」データベースより)
神戸で被災し、妻と娘を亡くした小学校教師「まいど先生」が東日本大震災で被災した小学校にに応援教員として派遣。そこでの生徒との日々が描かれた作品で、派遣2年目のお話。
ちなみに前作の「そして、星の輝く夜がくる」では1年目の話が描かれています。
たくさん目頭が熱くなったポイントがあったのですが、ちょっとだけご紹介。。。
◆ ◆ ◆
大人でも対処するのに難しいことを、子どもたちは受け入れそして超えていく。
その子どもたちの姿に、逆に教えられる「まいど先生」。
いろいろなしがらみが多くなる「大人」よりも、素直な考え方ができる「子ども」の方が時として正しい選択ができる場合もある。
「白球を追って」では、そんなことを考えさせられました。
そして、子どもたちの行動に目頭が。。。
世間のことがフィルターとなり選択を歪めてしまう「大人たち」
それに対して、しがらみもなく素直に考えられる「子どもたち」
大人の心配をよそに、子どもたちはたくましい。
子どもを信じて口を出しすぎず見守ることも、子どもの成長にとって大事なことだとも感じました。
◆ ◆ ◆
そして今回も、元校長先生(前作は校長先生)の存在や言葉もとってもステキでした。
「本当に強い人は弱音を吐くんです。それができるようになって初めて、弱音を吐いてはいけない時が分かるんです。それが分かるまではしっかり弱音を吐くんです」
気丈に振る舞おうとしている男子生徒に向かって、元校長先生の言葉。
辛い過去を背負、今を楽しむことに負い目を感じている生徒に対して「人間てな、大好きな人には幸せになって欲しいと思うもんやねん」と伝える、まいど先生。
思わず「そうだよね、そうだよね」とうなずきながら、やっぱり目頭が。。。
◆ ◆ ◆
などなど、感動場面が盛りだくさん。今回も前回同様テンポも良く、一気読みでした。
東日本大震災を舞台にした作品ですので、いろいろな震災の問題が出てきます。
大変さも伝わってきます。しかし、その中でたくましく成長する姿にパワーをもらえます。
前回同様、明るい「まいど先生」でしたが、今回はパワフルという感じではなく、生徒とともに悩み成長していくという印象。
とても、清々しい感じでした。
気になった方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。
「海は見えるか」単行本・文庫本
文庫
単行本
著者「真山 仁」情報
代表作の「ハゲタカ」シリーズ
「ハゲタカ」シリーズの著者として、あまりにも有名な著者。
NHKドラマになった「ハゲタカ」後に、映画化もされた有名な作品ですね。
テレビドラマとしては、
ハゲタカ(2007年2月17日 – 3月24日、全6話、NHK「土曜ドラマ」で放送、主演:大森南朋)
ハゲタカ(2018年7月19日 – 9月6日、全8話、テレビ朝日「木曜ドラマ」で放送、主演:綾野剛)
と2回放送されているようですが、私はNHKドラマですっかり虜になってしまっていました。
NHKのドラマの後、映画化された作品も良かったです。
ハゲタカ(2009年6月6日公開、NHK「土曜ドラマ」の映画化、配給:東宝、監督:大友啓史、主演:大森南朋)
大森さん演じる「鷲津政彦」。そして、外資ファンド「ホライズン・インベストメントワークス・ジャパン」
出演者もそうそうたるメンバーで、とても楽しめた記憶が蘇ってきます。
その著者の「海は見えるか」。経済小説ではありませんが、とってもテンポもよく読みやすく、そして心に染みてきます。
こういう小説もとてもいいな、と思うステキな作品でした。
コメント
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