
ふとしたきっかけで、久しぶりに映画『帝都物語』と『帝都大戦』を観る機会がありました。
この作品は、荒俣宏さんの壮大な原作をもとに、平将門の怨霊を利用して帝都破壊を目論む魔人・加藤保憲と、それを阻止しようとする人々との攻防を描いた一大スペクタクルです。風水や陰陽道、霊的守護といった独特の世界観を日本に定着させた、まさに伝説的な作品と言えます。
何と言っても圧倒的なのは、嶋田久作さんが演じる「加藤保憲」の存在感です。
当時はまだ俳優経験がほとんどなかったという嶋田さん。あの異様に長い顔と、鋭い眼光、そして軍服姿のシルエット。一度見たら夢に出てきそうなほどのインパクトですが、今見直しても、その唯一無二のオーラには改めて圧倒されてしまいます。
豪華すぎるキャストと、今だから感じる「凄み」
実相寺昭雄監督(帝都物語)をはじめとする制作陣のこだわりも凄まじいものがあります。あらためて出演陣を見てみると、勝新太郎さん、西村晃さん、平幹二朗さん、さらには坂東玉三郎さんや大滝秀治さんといった、日本映画界の重鎮たちがこれでもかと顔を揃えています。
そんな大御所たちを相手に、堂々と、それでいて不気味に立ちふさがる嶋田さんの加藤。CGが当たり前になった今の映画にはない、当時の作り手たちの「熱量」と「毒」、そして特撮の職人技が画面から伝わってくるようです。
こういう機会でもなければ、なかなか昔の邦画をじっくり観ることはなかったかもしれませんが、「良いものは、時間が経ってもやっぱり面白いな」としみじみ感じた時間でした。
時代を超えて語り継がれる「昭和の熱量」
本作が公開されたのは、1988年(昭和63年)1月30日のこと。
昭和という時代の終わりが近づく中で誕生したこの作品は、当時の映画界の総力を結集したような、とてつもないスケールで描かれています。
1988年公開の第1作、そして翌年の続編『帝都大戦』。監督やキャストは変われど、その中心にいたのは常に嶋田久作さん演じる魔人・加藤でした。
- 『帝都物語』(1988年1月30日公開)
監督:実相寺昭雄
出演:勝新太郎、嶋田久作、石田純一、坂東玉三郎 ほか - 『帝都大戦』(1989年9月15日公開)
監督:一瀬隆重(総監督:ラン・ナイチョイ)
出演:加藤昌也、南果歩、嶋田久作、丹波哲郎 ほか
今見直してみると、CGが主流になる前の「本物のセット」や「特撮」が放つ独特の重厚感に驚かされます。1988年という時代だからこそ成し得た、あの熱狂的な空気感。それが数十年の時を経た今でも、私たちの心を掴んで離さない理由なのかもしれません。
あの「加藤」に、もう一度会いたくなった方へ
この記事を書いていたら、あの独特の世界観がまた恋しくなってきました。もし「久しぶりにあの加藤の雄姿を確認したい!」と思われたなら、今は配信サービスで手軽に観ることができます。
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荒俣宏さんの原作や「平将門」の伝説
映画で描かれた風水や陰陽道の不思議な世界をもっと知りたくなったら、荒俣宏さんの原作小説もおすすめです。活字で追う「帝都」の歴史は、映画とはまた違った知的なワクワク感を与えてくれます。
また、劇中の鍵となる「平将門の首塚(大手町)」といった史実や伝説に触れてみるのも、この作品の楽しみ方の一つかもしれません。
まとめ
たまには昔の映画にどっぷり浸かって、日常とは違う世界を覗いてみる。そんな時間も、今の私にとっては大切な「気付き」の一つだな、と思いながらの鑑賞でした。
皆さんも、自分にとっての「忘れられない怪演」がある作品を、久しぶりに掘り起こしてみませんか?
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