はじめに|子ども向けの本だと思っていたのに
喜多川泰さんの小説『ソバニイルヨ』は、中学生の少年と不思議なAIロボットの交流を描く物語です。
正直に言えば、最初は子どもに読ませたい本だと思っていました。
でも、読み終えて一番深く心に残ったのは、50代の自分自身でした。
仕事、家族、将来。毎日それなりに忙しく過ごしているけれど、ふとした瞬間に思うことがあります。
「この時間の使い方で、本当にいいんだろうか?」
『ソバニイルヨ』は、そんな自分に「時間は有限」というメッセージを静かに、でも確実に突きつけてくる一冊でした。
この記事では、物語の核心には触れずにあらすじを紹介しながら、今の自分が感じたことを振り返ります。
『ソバニイルヨ』のあらすじ【ネタバレなし】
※物語の核心に触れるネタバレは含みません。
主人公は、中学生の男の子・隼人。
勉強が嫌いで、周囲の目を気にしながら毎日を過ごしています。
ある出来事をきっかけに友人関係がこじれ、
孤立してしまった彼のもとに現れるのが、
父親が残していった不思議なAIロボット「ユージ」。
このユージとの時間を通して、
隼人は「アイ(愛・哀・AI)」という言葉の意味に向き合っていきます。
「アイ」という言葉が、今の自分に重なった
この本で何度も考えさせられるのが「アイ」という言葉です。
- 愛
- 哀
- AI(人工知能)
特に心に残ったのは、「哀」の意味でした。
「哀」を知るということは、
時間が有限であることを知るということ。
時間は無限にあるようで、実はそうではない。
それを本当に理解したとき、
人との時間や、今日という一日が急に重みを持ち始めます。
50代という年齢になり、
「いつまでも同じではいられない」と実感する今だからこそ、
このテーマが強く響いたのだと思います。
日々を大切に生きるとは「時間の質」を考えること
本書では、時間の使い方を次の3つに分けています。
- 消費:ただこなすだけの時間
- 浪費:目的のない時間
- 投資:未来につながる時間
この考え方はとてもシンプルですが、
自分の一日を振り返ると、ドキッとします。
「今日の時間は、どれだけ投資になっていただろうか?」
忙しさに流されていると、
気づかないうちに「消費」ばかりの一日になってしまう。
この本は、
そんな自分の時間感覚をそっと修正してくれました。
「ドウセヤルナラ」が、今の自分への合言葉
本書に出てくる印象的な言葉が
「ドウセヤルナラ」。
どうせやるなら、
最低限で終わらせず、ほんの少しだけ質を高めてみる。
同じ1時間でも、
「やらされている時間」から
「自分で選んだ時間」に変わるだけで、意味が変わります。
これは、
今ブログを書いている自分にも、そのまま当てはまりました。
読み終えて|これは「親子で読める人生の本」
『ソバニイルヨ』は、
確かに中学生が主人公の物語です。
でも、
- 子どもには「時間の大切さ」を
- 大人には「今の生き方」を
それぞれ違う角度から問いかけてくる本だと感じました。
子どもに読んでほしい。
でもそれ以上に、
親である自分が、もう一度読み返したい本でした。
こんな人におすすめしたい
- 子どもに「大切なこと」をどう伝えればいいか悩んでいる方
- 毎日忙しいけれど、どこかモヤモヤしている方
- 50代前後で、時間の使い方を見直したいと感じている方
年齢を問わず、
「今」を大切にしたいすべての人に刺さる一冊だと思います。
この本は、50代の今、「このままでいいのか」と感じている人に、忙しさに流されがちな日々だからこそ、手に取ってほしい一冊です。
親が読んでから、子どもに手渡したくなる本でした。








