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人はみんな折り合いをつけて生きている。是枝裕和監督『歩いても 歩いても』名セリフが暴く家族のリアル

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是枝裕和監督の映画『歩いても 歩いても』を鑑賞しました。

15年前に亡くなった兄の命日。実家に集まった家族の、たった一日の物語です。

派手な事件は起きません。
けれどそこには、「家族だからこそ言えない本音」や「埋まらない心の溝」が、静かに、そして鋭く描かれています。

「怖いのよ人って、みんな」
「いつもこうなんだ、ちょっと間に合わないんだ」

このセリフに、心臓をギュッと掴まれるような感覚を覚えた方も多いのではないでしょうか。

今回は、この映画が教えてくれる「人生の折り合い」について、私なりの感想を綴ります。


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家族という名の「個人」が透けて見える瞬間

ストーリーは、次男の良多(阿部寛)が家族を連れて帰省する、どこにでもある光景から始まります。

仲の良さそうな家族。
実家に集まり、楽しそうな時間が流れる。

でもその中で、家族であっても分からない「個人の思い」が、セリフの端々から浮かび上がります。

家族といっても、結局は一人ひとりの個人。
思いはそれぞれ微妙に違っている。

時には気持ちを押し殺しながら、それでも上手くやっていく。
それが、家族というものなのかもしれません。

特に印象的だったのが、次の言葉です。

「怖いのよ人って、みんな」
「それぐらい普通でしょ」

良多と妻(夏川結衣)のやりとりは、とてもリアル。
受け手によっては、優しさにも刃にもなる。

人間って、きっとそういうものなのだと感じさせられます。


「じわじわ」と入ってくる、日常の尊さと切なさ

この映画は、ストーリーを追うだけではもったいない作品です。

一度目はすっと見てしまっても、後からじわじわと、
日常のシーンの奥にある感情が沁みてきます。

老いていく親の姿。
「そのうちね」という先延ばしの言葉。
そして——

「いつもこうなんだ、ちょっと間に合わないんだ」

どれだけ丁寧に生きていても、「間に合わない」ことがある。

是枝監督が「母の死がこの映画を作るきっかけになった」と語っている通り、そこには普遍的な生と死、そして家族の形があります。

しばらくしてまた見たら、きっと印象が変わる。
何年後かに、また自分と向き合うように見返したい一本です。


キャストと音楽が作り出す「最高の空気感」

物語を支えるキャストと音楽も、この作品の大きな魅力です。

  • 阿部寛 × 夏川結衣
    ドラマ 結婚できない男 コンビの二人が、今作では夫婦として絶妙な空気感を見せてくれます。
  • 高橋和也
    YOUさんの夫役として、柔らかな存在感が印象的でした。
  • 樹木希林
    圧倒的です。何気ない仕草や言葉の一つひとつに、人生の重みが宿っています。
  • ゴンチチ の音楽
    静かなギターの旋律が、夏の午後の気だるさと切なさを優しく包み込みます。

この“空気感”こそが、この映画の真骨頂かもしれません。


映画『歩いても 歩いても』を視聴する

この「じわじわくる余韻」を、ぜひご自身でも体験してみてください。

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何年か後、きっとまた違う景色が見える映画です。


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