※このページではアフィリエイト広告を紹介しています
PR

「親子の血」か「親子の時間」か――是枝裕和監督『そして父になる』が描く、「正解」のない家族の形を、今さら考えてしまう

スポンサーリンク

是枝裕和監督の映画『そして父になる』を観ました。

生まれたばかりの子どもが取り違えられていたという衝撃の事実から始まる、二つの家族の物語。 派手な事件が起きるわけではありません。けれど、家族だからこそ生まれる緊張や、心のすれ違いが静かに、そして鋭く描かれています。

成人したわが子を持つ今になっても、自分は未熟な父親だったな……と反省ばかりの私ですが、本作を通して改めて考えさせられた「血のつながり」か「育てた時間」かという問いについて、その魅力を静かにつづってみようと思います。

※※物語の核心的なネタバレは避けています。未視聴の方も安心してお読みくださいね。


スポンサーリンク

家族の時間と血のつながり:二つの父親像

映画のテーマは、まさに「血のつながりか、愛した時間か」

都会のエリートとして「一流の環境」を与えることが親の責任だと信じる野々宮家(福山雅治・尾野真千子)。 対して、群馬の田舎で電気店を営み、決して裕福ではなくとも子どもと同じ目線で笑い転げる斎木家(リリー・フランキー・真木よう子)。

対照的な二つの家庭を通して、私たちは問いかけられます。

「子どもにとって本当に必要なのは、整えられた未来か、それとも今この瞬間の触れ合いか」

映画の後半、都会的な合理主義が少しずつ揺らぎ、不器用ながらも「父」になろうともがく姿に、胸が熱くなりました。


「子育ては期間限定」という、痛切な気づき

この映画を観て、私自身の苦い、そして愛おしい記憶が蘇りました。

子どもが小学校を卒業するころ、 「パパとはもう、お風呂に入らない」 と宣言された、あの日のことです。

当時は当たり前だと思っていた毎日も、実は二度と戻らない「期間限定」のご褒美のような時間だったのだと、後になって痛感しました。

「仕事が忙しいから」「後で時間ができたら」……。 そう言って後回しにしているうちに、子どもはあっという間に大きくなってしまいます。 この映画は、「今、目の前の子どもとしっかり向き合うこと」の重みを、不器用だった当時の自分にそっと教えてあげたくなりました。

あわせて読みたい:是枝監督作品のもう一つの名作
同じ是枝監督作品で、親子の「すれ違い」と「取り戻せない時間」を静かに描いたこちらも名作です。
映画『歩いても 歩いても』感想|どうしてもっと早く優しくなれなかったのか


実力派キャストと音楽が紡ぐ、濃密な空気感

本作の余韻を支えているのは、間違いなく俳優陣の圧倒的なリアリティーです。

  • 福山雅治 × 尾野真千子
    完璧主義な父親が崩れていく葛藤と、母としての強さを自然体で表現。
  • リリー・フランキー × 真木よう子
    「正解」ではないかもしれないけれど、確かな絆を感じさせる温かな家族像。
  • 樹木希林
    何気ない仕草や一言に人生の重みが宿り、作品に深い説得力を与えています。

また、劇中に流れるバッハの『ゴールドベルク変奏曲』などのクラシック音楽が、言葉にならない家族の機微を代弁するように、しずかに心に染み込んできます。


映画『そして父になる』を今すぐ楽しむ方法

もし、ふと「自分は親としてどうなんだろう」と立ち止まりそうになったなら、一人の時間にそっとこの物語をのぞいてみてください。

1. 動画配信サービスで今すぐ観る

Amazonプライム・ビデオなら、レンタルですぐに視聴可能です。
Amazonプライム・ビデオで『そして父になる』を観る

2. 形として手元に残す(DVD/Blu-ray)

何度も見返したい、大切な一本に。

3. 言葉で深く噛みしめる(ノベライズ)

映画では描ききれなかった登場人物の繊細な心理描写を、じっくりと辿りたい方におすすめです。


まとめ:明日、少しだけ優しい父になるために

父親だって、最初から完璧ではありません。子どもと一緒に悩み、迷いながら、少しずつ「父親」にさせてもらっていくのだと思います。

観終わった後、今はもう大きくなったわが子の、幼い頃の感触をきっと思い出すはず。 そして、今子育て中のパパ・ママには、その瞬間の愛おしさを噛み締めてほしいと願わずにはいられません。

この映画が、あなたの家族の時間をより豊かにするきっかけになれば幸いです。