USBハブを選ぶとき、何を基準にしていますか?
私自身、以前は、
- 必要な数の差し込み口がある
- パソコンへ接続できる
- 価格が手頃
という点を中心に見ていました。
USBハブは、足りないUSB端子を増やすためのもの。接続できれば、それで十分だと思っていたからです。
しかし、USBメモリへのファイルコピーについて話していたとき、
「高速なUSBメモリを使っていても、途中のUSBハブが遅かったら意味がないのでは?」
と聞かれました。
調べてみると、USBハブにも転送速度や電源方式の違いがあり、接続する機器によって適した製品が異なることが分かりました。
マウスやキーボードをつなぐだけなら、高速なUSBハブを選ばなくても困らないことがあります。
一方、USBメモリや外付けSSDで大量のデータをコピーするなら、ポート数だけでなく対応する転送速度も確認した方がよいでしょう。
この記事では、USBハブを選ぶときに確認したい転送速度、電源方式、ポート数、接続端子などを初心者向けに解説します。
結論|USBハブは接続する機器に合わせて選ぶ
USBハブは、ポート数や価格だけでなく、何を接続するのかを考えて選ぶことが大切です。
先に選び方をまとめると、次のようになります。
| 主な用途 | 選び方の目安 |
|---|---|
| マウスやキーボードを接続する | 一般的なUSBハブでも困りにくい |
| プリンターを接続する | 端子形状と必要なポート数を確認する |
| USBメモリで大量のデータを移す | 5Gbps以上を検討する |
| 外付けSSDを使う | SSDと同等以上の転送速度を確認する |
| 外付けHDDを接続する | 電力不足が心配なら電源付きも検討する |
| 複数の機器を同時に使う | 転送速度と電源供給の両方を確認する |
| HDMIやLANも使う | それぞれの機能への対応を確認する |
すべての用途に、高価で高性能なUSBハブが必要なわけではありません。
大切なのは、接続する機器に必要な性能を満たしているかどうかです。
USBハブの転送速度を確認する
USBハブの商品説明には、次のような表記があります。
| 表記の例 | 最大転送速度の目安 |
|---|---|
| USB 2.0 | 480Mbps |
| USB 5Gbps | 5Gbps |
| USB 10Gbps | 10Gbps |
| USB 20Gbps | 20Gbps |
USB 3.2では、5Gbps・10Gbps・20Gbpsの転送速度が定められています。
ただし、この数字は理論上の最大転送速度です。
実際の速度は、次の条件によって変わります。
- パソコン側のUSB端子
- USBハブの性能
- ハブとパソコンをつなぐケーブル
- 接続するUSBメモリや外付けSSD
- コピー元のHDDやSSD
- ファイルの数や大きさ
- 同時に使用している機器
たとえば、外付けSSDがUSB 10Gbpsに対応していても、USBハブがUSB 2.0なら、ハブ側が速度を制限する可能性があります。
反対に、USB 10Gbps対応ハブを使っても、パソコン側がUSB 5Gbpsまでなら、実際の通信はその範囲になります。
▶ USBハブやケーブルは接続できれば同じ?転送速度が変わる理由を解説
USB 2.0ハブはどんな用途なら使える?
USB 2.0対応ハブは、現在でも販売されています。
最大転送速度は480Mbpsで、5Gbps以上のUSB規格と比べると低速です。
ただし、USB 2.0ハブが使えないという意味ではありません。
次のような機器では、大量のデータを連続して転送しないため、速度差が問題になりにくいでしょう。
- マウス
- キーボード
- USBレシーバー
- 一般的なプリンター
- ゲームコントローラー
一方で、次の用途ではUSB 2.0が速度の制限になりやすくなります。
- USBメモリへの大量コピー
- 外付けSSDへのバックアップ
- 外付けHDDからのデータ転送
- 高画質Webカメラ
- 高速LANアダプター
- SDカードから写真や動画を大量に取り込む
USBメモリや外付けSSDを使う可能性があるなら、価格差だけでUSB 2.0を選ばず、5Gbps以上の製品も確認するとよいでしょう。
USB 5Gbpsと10Gbpsはどちらを選ぶ?
一般的なUSBメモリや外付けストレージに使うなら、USB 5Gbps対応ハブが選びやすいでしょう。
USB 5Gbpsは、以前の表記ではUSB 3.0やUSB 3.2 Gen 1と書かれていることがあります。
一方、読み書き速度が速い外付けSSDを使う場合は、USB 10Gbps対応ハブを選ぶ意味があります。
ただし、ハブだけを10Gbps対応にしても、パソコン側や外付けSSDが5Gbpsまでなら、10Gbpsの性能を十分に生かせません。
選ぶときは、
- パソコン側のUSB端子
- 接続する機器
- USBハブ
の3つの対応速度を確認しましょう。
迷った場合は、次の目安で考えられます。
- マウスやキーボード中心:速度を気にしすぎなくてもよい
- USBメモリで大量のデータを移す:5Gbps以上を検討する
- 一般的な外付けSSD:5Gbps以上
- 高速な外付けSSD:10Gbpsも検討する
複数ポートの速度は全体で共有されることがある
USBハブには、3ポートや4ポート、7ポートなど複数の差し込み口があります。
ここで注意したいのは、
各ポートが同時に最大速度を出せるとは限らない
という点です。
USBハブは、複数の機器をパソコンへつなぐための1本の通信経路を共有します。
たとえば、同じハブに、
- 外付けSSD
- USBメモリ
- Webカメラ
- LANアダプター
を接続し、同時に使用すると、通信が集中する可能性があります。
USBハブにつないだ機器は、パソコンへ続く通信経路を共有します。そのため、大量のデータを同時に転送すると、速度に影響することがあります。
ただし、複数の機器を接続しただけで必ず遅くなるわけではありません。
マウスやキーボードは通信量が少ないため、外付けSSDと同じハブに接続しても影響が小さい場合があります。
一方、外付けSSD同士で同時に大量のデータを転送したり、Webカメラや高速LANを同時に使ったりすると、影響が出やすくなります。
バスパワーとセルフパワーの違い
USBハブには、大きく分けて次の2種類があります。
バスパワー型
パソコンのUSB端子から電源を受け取るUSBハブです。
ACアダプターが不要で、持ち運びやすいことがメリットです。
次のような用途に向いています。
- マウス
- キーボード
- USBメモリ
- USBレシーバー
- 少数の小型機器
ただし、接続した機器すべてで、パソコンから供給される電力を分けて使います。
複数の機器を接続したり、消費電力の大きい機器を使ったりすると、動作が不安定になる場合があります。
セルフパワー型
ACアダプターなど、外部電源を使うUSBハブです。
パソコンのUSB端子からの電力だけに頼らないため、複数機器を安定して接続しやすくなります。
次のような用途では候補になります。
- 外付けHDDを接続する
- 複数の外付け機器を同時に使う
- USB機器が認識したり切れたりする
- 電力を多く使う機器を接続する
- 据え置きで使用する
USBでは、パソコン側から電源を受けるバスパワーと、外部電源を使うセルフパワーという考え方があります。USB Type-CやUSB Power Deliveryでは、対応する機器や条件によって、より大きな電力を供給できる仕組みも用意されています。
ただし、ACアダプター付きだから転送速度も速いとは限りません。
電源方式と転送速度は別の仕様です。それぞれを確認してください。
ポート数は「必要数より少し多め」が使いやすい
USBハブを選ぶときは、現在必要なポート数だけでなく、今後接続する可能性も考えましょう。
たとえば、現在は、
- マウス
- キーボード
- USBメモリ
の3つだけでも、あとから、
- 外付けSSD
- Webカメラ
- プリンター
- スマホの充電ケーブル
などを接続する可能性があります。
必要な数と同じポート数を選ぶと、すぐに足りなくなることがあります。
ただし、使う予定がないのに多すぎるポートを選ぶ必要もありません。
ポート数が多いほど、本体が大きくなったり価格が上がったりすることがあります。
現在使う数より、1〜2ポート程度余裕を持たせると選びやすいでしょう。
Type-AとType-Cのどちらを選ぶ?
USBハブは、パソコンへ接続する端子にも違いがあります。
主に次の2種類です。
- USB Type-A
- USB Type-C
Type-Aは、従来からパソコンに多く使われている四角い端子です。
Type-Cは、上下の向きを気にせず接続できる小型の端子です。
ここで注意したいのは、
Type-Cだから必ず高速とは限らない
という点です。
Type-Cは端子の形を表しており、転送速度や映像出力、充電への対応は別に確認する必要があります。
購入前に、使用するパソコンの端子と、ハブの接続端子が合うか確認してください。
変換アダプターを使える場合もありますが、アダプター側の対応速度によって制限される可能性があります。
HDMI・LAN・SDカード付きハブの注意点
Type-Cハブには、USB端子だけでなく、次の機能をまとめた製品があります。
- HDMI
- 有線LAN
- SDカード
- microSDカード
- USB PD充電
- イヤホン端子
ノートパソコンの端子をまとめて増やせるため便利です。
ただし、Type-C端子へ接続できるだけで、すべての機能が使えるとは限りません。
たとえば、HDMI出力を使うには、パソコン側のType-C端子が映像出力に対応している必要があります。
USB PD充電を使う場合も、
- パソコン
- USBハブ
- 充電器
- ケーブル
のすべてが必要な条件を満たしている必要があります。
USB Power Deliveryでは、対応するUSB Type-C機器とケーブルを使うことで、最大240Wまでの給電が規格化されています。
ただし、ハブに「PD対応」と書いてあっても、パソコンへ実際に供給される電力は、充電器の出力やハブ自身が使う電力によって変わります。
USBハブを選ぶときの確認リスト
購入前には、次の順番で確認すると分かりやすいでしょう。
- 何を接続するのか
- USBメモリや外付けSSDを使うか
- 5Gbps・10Gbpsのどちらが必要か
- パソコン側の端子はType-AかType-Cか
- 必要なポート数はいくつか
- バスパワーかセルフパワーか
- HDMI・LAN・SDカードが必要か
- USB PD充電を使うか
- 持ち運ぶか、机に置いたまま使うか
すべての項目を満たす高価な製品を選ぶ必要はありません。
用途に不要な機能まで付いたハブを選ぶと、価格が高くなり、本体も大きくなる可能性があります。
自分が接続する機器と使い方を先に決めてから、必要な規格を選びましょう。
用途別|USBハブの選び方
最後に、用途別に選び方をまとめます。
マウスやキーボードを増やしたい
転送速度を気にしすぎる必要はありません。
必要なポート数と端子形状を中心に選びましょう。
USBメモリをよく使う
書類など少量のデータを移すだけなら、USB 2.0でも困らないことがあります。
写真や仕事用ファイルを頻繁にコピーする場合は、USB 5Gbps対応・4ポート・バスパワー型が選びやすいでしょう。
バッファローのBSH4U120U3シリーズは、パソコンのUSB Type-A端子へ接続するタイプで、マウスやキーボード、USBメモリなどをまとめて接続できます。側面にも1ポートあるため、横幅のあるUSBメモリを挿しやすい点も便利です。
外付けSSDを使う
高速な外付けSSDを使う場合は、USB 10Gbps対応ハブも候補になります。
エレコムのU3HC-H042PBKは、データ転送用のUSB Type-Aポートを2つ、USB Type-Cポートを1つ、USB PD給電用のType-Cポートを1つ備えたUSB 10Gbps対応ハブです。外付けSSDのほか、従来のUSBメモリなども接続しやすい構成になっています。
ただし、ハブを10Gbps対応にするだけでは十分ではありません。パソコン側のUSB Type-C端子と、接続する外付けSSDも10Gbpsに対応しているか確認してください。
▶ 外付けSSDはどれがいい?初心者向け4社比較と失敗しない選び方【2026】
外付けHDDや複数機器を使う
外付けHDDや複数のUSB機器を同時に使う場合は、ACアダプター付きのセルフパワー型が候補になります。
バッファローのBSH4A125U3BKは、USB 5Gbps対応の4ポートハブで、ACアダプターが付属しています。パソコンからの電力だけに頼らず給電できるため、ポータブルHDDなど消費電力の大きい機器を接続したい場合に選びやすい製品です。
なお、ACアダプター付きだから転送速度まで速くなるわけではありません。電源の安定性と転送速度は別の仕様なので、両方を確認してください。
ノートパソコンの端子をまとめて増やしたい
ノートパソコンの端子をまとめて増やしたい場合は、USB端子だけでなく、HDMI、有線LAN、SDカード、USB PD充電などを備えたType-C多機能ハブが便利です。
Anker PowerExpand 8-in-1 USB-C PD 10Gbps データハブは、USB機器の接続に加え、ディスプレイ出力、有線LAN、SDカードの読み込み、パソコンへの給電などを1台にまとめられます。高速な外付けSSDを使う場合にも確認しやすい、10Gbps対応モデルです。
ただし、パソコン側にUSB Type-C端子があっても、必ず映像出力やUSB PD充電に対応しているとは限りません。購入前に、使用するパソコンのType-C端子が必要な機能に対応しているか確認してください。
まとめ|USBハブはポート数と価格だけで選ばない
USBハブは、パソコンのUSB端子を増やす便利な機器です。
ただし、同じような見た目でも、転送速度、電源方式、接続端子、付属機能などに違いがあります。
選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- マウスやキーボード中心なら、高速性能を気にしすぎなくてもよい
- USBメモリで大量のデータを移す場合や、外付けSSDには5Gbps以上を検討する
- 高速な外付けSSDでは、10Gbps対応も候補になる
- 複数機器や外付けHDDでは、電源付きハブも検討する
- Type-Cでも、速度・映像・充電への対応は別に確認する
- HDMIやLANなど、必要な機能だけを選ぶ
- 必要なポート数より少し余裕を持たせる
私も以前は、必要な数の端子があり、パソコンへ接続できれば十分だと思っていました。
しかし、USBメモリや外付けSSDで大量のデータを扱うなら、対応する転送速度まで確認する意味があります。
高価な製品を選ぶことが正解なのではありません。
USBハブを何に使うのかを考え、必要な性能を満たす製品を選びましょう。
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