最近、こんなことを感じていました。
毎日忙しい。
やることは次々に増える。
締め切りに追われて、気が付けば一日が終わる。
それなのに、前に進んでいる実感があまりない。
そんな時に読んだのが、カル・ニューポート著『SLOW 仕事の減らし方』でした。
タイトルだけを見ると、
「ゆっくり働こう」
とか
「仕事を減らして楽をしよう」
という内容に思えるかもしれません。
しかし実際は違いました。
本書は、「成果を出したいなら、まず仕事を減らそう」という本です。
本書の内容も興味深かったのですが、読後に残ったのは「仕事を減らしたいわけではなかった。私が取り戻したかったのは、考えたり工夫したり、何かを作り出す時間だった」という気付きでした。
『SLOW 仕事の減らし方』はどんな本?
本書の中心にあるのは「スローワーキング」という考え方です。
その原則は3つです。
- 削減(やるべきことを減らす)
- 余裕(心地よいペースで働く)
- 洗練(クオリティにこだわる)
著者は、現代の知的労働者が陥りがちな状態を「擬似生産性」と呼びます。
- メールを返す。
- 会議に出る。
- 依頼に対応する。
- 予定をこなす。
忙しく動いていると仕事をしている気になります。
しかし本当に大切なのは、
「どれだけ忙しかったか」
ではなく、
「どれだけ価値ある成果を生み出したか」
です。
私が一番印象に残ったこと
本書にはさまざまな仕事術が紹介されています。
しかし私が一番印象に残ったのは、
「忙しさと成果は別物だ」
ということでした。
私は以前から、仕事に追われている感覚がありました。
- やることは次々に増える。
- 休んでいても気になる。
- 気が付けば一日が終わる。
そんな日が少なくありません。
だからといって、大事な仕事が進んでいるかというと、そうでもない。
本当に考えたいことや、
将来につながることや、
改善したいことは後回しになり、
目の前の対応だけで一日が終わってしまうことがあります。
本書を読んで気付いたのは、
私に足りなかったのは「もっと頑張ること」ではなく、
「何に時間とエネルギーを使うかを選ぶこと」
だったのかもしれない、ということです。
「やらないことを決める」が難しい
本書には、
「やらないことを決めるのは、やることを決めるのと同じくらい重要だ」
という考え方が紹介されています。
読んだ時は、「その通りだな」と思いました。
でも正直なところ、それが簡単にできるなら苦労しません。
私は頼まれると断れないことがあります。
本当はできるのに断ることに罪悪感もあります。
さらに厄介なのは、どの仕事もそれなりに大事に見えてしまうことです。
だからまず必要なのは、
やらないことを決めることではなく、
「自分なりの基準を作ること」
だったのかもしれません。例えば、こんな視点です。
- 将来につながるか
- 自分しかできないか
- やらなかったら本当に困るか
- 自分が大切にしたい価値観に合っているか
そんな基準で見直してみたいと思いました。
うらやましいと思った出来事
本書を読みながら思い出したことがあります。
先日、同僚が新しいシステム機能を追加した話をしてくれました。
新しい技術を学び、アイデアを考え、実際に動くものを作る。
その話を聞いた時、
私は「すごい」と思うより先に、
「うらやましい」
と感じました。
なぜだろうと考えてみると、
私はその機能がうらやましかったのではありませんでした。
新しいことを学び、
工夫し、
改善し、
アイデアを形にする。
そんな時間を持てていることがうらやましかったのです。
その時ふと思いました。
最近の私は、
「作る側」よりも
「対応する側」
でいる時間が増えていたのかもしれません。
目の前の課題を処理することも大切です。
でも本当は、
何かを考えたり、
工夫したり、
作り出したりする時間にこそ、
私はやりがいを感じる人間だったのではないか。
そんなことを考えさせられました。
私が本当に取り戻したかったもの
本書を読んで気付いたことがあります。
私は仕事を減らしたかったわけではありませんでした。
楽をしたかったわけでもありません。
本当は、
- 夢中になれること
- 工夫すること
- 成長すること
- 何かを作り上げること
そういった時間を取り戻したかったのかもしれません。
仕事に追われ、
時間に追われ、
目の前のことをこなすうちに、
そうした感覚を少し置き忘れていたような気がします。
読了後にやってみようと思うこと
いきなり大きく働き方を変えるつもりはありません。
ただ、まずはやってみたいことがあります。
それは、
今抱えているタスクを全部書き出してみることです。
見えていない荷物は下ろせません。
まずは自分が何を抱えているのかを整理する。
その上で、
本当に大切なものと、
今は手放してもいいものを見極めていきたいと思います。
この本がおすすめな人
『SLOW 仕事の減らし方』は、
単に仕事をサボる方法や楽をする方法を教える本ではありません。
むしろ、
- 忙しいのに成果が出ている実感がない
- やることが多すぎて大事な仕事に集中できない
- 毎日頑張っているのに前に進んでいる気がしない
そんな人に向いている本だと思います。
仕事術のテクニック集というより、
「自分は何に時間を使うべきなのか」
を見直すきっかけをくれる一冊でした。
私自身は、この本を読んで仕事術以上に「働く目的」を考えさせられました。
まとめ
この記事で書いたことは、本書の本来のテーマとは少し違う受け取り方かもしれません。
『SLOW 仕事の減らし方』の中心にあるのは、仕事量を適切に減らし、本当に価値のある成果に集中するという考え方です。
それでも私にとっては、
「何を減らすか」
以上に、
「何を取り戻したいのか」
を考えるきっかけになりました。
私は仕事を減らしたかったわけではありませんでした。
本当は、
- 夢中になって考える時間。
- 工夫する時間。
- 成長する時間。
- 何かを作り出す時間。
そうした時間を取り戻したかったのです。
もし今、
- 仕事に追われている
- 忙しいのに前に進んでいる気がしない
- 本当にやりたいことが見えなくなっている
そんな感覚があるなら、一度読んでみる価値のある一冊だと思います。
少なくとも私は、
「何を大切にしたいのか」
を考えるきっかけをもらいました。
忙しさは、時に本当にやりたいことを見えなくしてしまいます。
だからこそ、ときどき立ち止まって、
「自分は何のために頑張っているのだろう」
と問い直す時間も必要なのかもしれません。
若い頃なら聞き流していたかもしれません。
それでも今の私には、妙に心に残る一冊でした。








